青梅と八ヶ岳の森(その3)森守会メンバーのS.Hasumiさんからの投稿です
森を歩いて
秋と冬
八ヶ岳と青梅の森を歩いてみて感じることをお届けします。その第3回目。最終回です。
秋は紅葉そして冬は雪景色。青梅と八ヶ岳の季節の違いを見てみましょう。
紅葉の季節
青梅では紅葉は11月から12月にかけて見頃を迎えます。広葉樹が黄色や赤褐色に色づきます。
図 1青梅の森 コナラ <2022年11月上旬>
図 2 青梅の森 <2022年11月下旬>
図 3 青梅の森 <2022年11月下旬>
森林整備作業時の写真です。緑と紅葉のバランスは青梅の森の特徴でもあります。有名な紅葉スポットは、カエデやブナなどが一斉に色づき華やかですが、どこか自然なバランスが取れていない気がします。青梅の森では緑も紅葉もあり優しい心地がします。
八ヶ岳の紅葉は、9月下旬から10月までになります。常緑針葉樹と広葉樹が混じり合った森は多彩な色を見せてくれます。
図 4 八ヶ岳 白駒池 (標高2115m)を高見石から望む<2018年10月>
図 5 白駒池 ナナカマドの赤とダケカンバの黄<2018年10月>
ナナカマドとダケカンバが鮮やかな紅葉を見せていました。こちらの森も緑と紅葉がバランスよく風景を構成しています。
図 6 夏沢鉱泉付近(標高2080m)<2023年10月>
標高2000mの亜高山帯では常緑針葉樹のシラビソの緑の中に数は少ないがハウチワカエデの赤が混じり豊かな色彩になります。
図 7 夏沢峠(標高2440m)<2023年10月>
硫黄岳へと続く登山道の途中にある夏沢峠から見える爆裂火口と斜面に広がる亜高山帯の紅葉です。森林限界が間近い場所の紅葉は赤、黄色、緑、黄緑と多様な表情を見せてくれます。常緑針葉樹と落葉広葉樹が広がる多様な樹林が見せてくれる光景です。思わず「わあ!」と声を上げてそれまでの登りの疲れを忘れる瞬間です。
冬の姿
青梅の森の冬は、関東南部に位置することから降雪の影響はありません。
冬でも暖かい日差しが差し込む日の作業は快適です。
図 8 青梅の森 作業道整備 <2023年1月>
いい感じで陽が差し込んで暖かそうな作業道になりました。冬の1日でこんな立派な作業道ができるのも穏やかな青梅の冬だからです。
八ヶ岳は、海から離れた長野県と山梨県に挟まれた山域になります。雪山の世界です。
比較的簡単な装備でスノーハイキングを楽しめる場所もあります。
図 9 北八ヶ岳 坪庭<2019年3月>
厳しい冬の雪は、樹木に大きな影響を与えています。強風が吹き付ける八ヶ岳では樹木に氷が凍着する霧氷が発生します。
図 10 北八ヶ岳 坪庭<2019年3月>
風上には枝が残っていません。シラビソなどの針葉樹が厳しい冬を耐えているのがわかります。
風上に向かって「エビの尻尾」が現れています。
図 11 坪庭 エビの尻尾<2019年3月>
この時は、マイナスの気温でしたので前日夜間の風で着いたものが残っていたのでしょう。
図 12 北八ヶ岳 雨池(標高2097m)<2023年3月>
春間近の様子です。既に針葉樹の緑に新芽が出始めている様子が写っています。
長い冬を耐えた木々たちは春を迎える準備をしているように見えます。
森を歩いて
青梅の森と八ヶ岳の森を歩いてみて思うことは、自然の大切さです。
「受け継がれてきた自然を守る」活動をこれからもいろいろな場所で続けて行きたいと感じます。