野生動物の家族愛を見た!
実は私は合唱団に入っています。一時期は4つの団を掛け持ちで歌っていたのですが今は2つだけです。
合唱したことがある曲の中に、「合掌 ー さる」というタイトルの曲があります。
高野喜久雄作詞 高田三郎作曲の「内なる遠さ」という組曲の中の一曲であり、ぞくぞくするようなすごい非常に緊張感がある曲なのですが、歌詞がこれまた衝撃的なんです。どういう内容の歌詞かというと、
「逃げまどい 逃げおくれ 逃げ場をなくした子連れのさるは 銃口に向かって 手を合わせ 必死に手をすり合わせ 泣きながら拝むとか 見逃してくれ と拝む様 そっくり人間のものだとか」
こういう歌詞です。この歌詞を、ハラハラするような緊張感のあるメロディーで歌うので、この歌を聞いたら皆さんびっくりすると思います。
さて、なぜ私がこの歌の話をしているのかというと実はこの夏、子連れの猿の家族愛を目撃したからです。
場所は奥多摩湖の駐車場のすぐ上の散策路。
奥多摩湖の写真を撮ろうとして散策路を上へ上へと登って行った時、遥か前方に親子連れの猿がいるのが見えました。
以前に登山道で猿の群れに遭遇したことがありますがその時は至近距離ではなかったため、お互いの存在を無視しあうことで無事にやり過ごすことができたので、今回もそうすればいいかなと思いつつ、親子猿の写真を撮ろうとカメラを構えた時、近くの藪の中にいた別の猿が木の枝を伝って来て散策路の上に姿を現しました。そしてキーキーという声を立てて何かを訴えているのです。
写真:この猿がキーキーと声を出して何かを訴えていました
私はこれを見たときに、さっきの歌の歌詞を思い出したのです。
私に向かって何かキーキー言っている。これは、助命の懇願ではなく、親子連れの猿にこれ以上近づくなと言っているのだな。ヘタをすると私に襲い掛かってくるかもしれない。と思い、その猿の写真だけ取って、後ずさりしながらその場から立ち去りました。
思いがけず野生動物の家族愛(仲間愛?)を間近に目撃したことで、家族や仲間の大切さに気付かされました。
猿に教えてもらって初めて気づいたなんてちょっと恥ずかしいですが、、、
注:登山道などでサルの群れに出くわしたら、近づかずに無視して後ずさりしてその場を離れましょう。