下山時の観察 (会員のH.Kさんからの投稿です)
2年間続いたコロナ禍・完全テレワーク生活で、衰えに衰えた足腰を平均的な60代のものに戻すため、一昨年の10月から低山ハイクを始めました。
ここのところのお気に入りは棒ノ折山で、月に1回は登っています。
【棒ノ折山】奥多摩町と飯能市の境界にある標高969mの山、埼玉県側の呼び名は棒ノ嶺。
短時間で、私の様な初級者でも可能な登山と下山後の温泉・グルメが楽しめます。
標準的なタイムラインはおおよそ以下のとおりです。
・ 5:00 成木街道・虎柏神社入口前を車で通過
・ 6:00 名栗湖畔の白谷橋登山口スタート
※登りのハイライトは前半のゴルジュ帯通過で、その他複数回の川渡り、簡単な鎖/ロープ場など変化に富み、飽きさせません。
・ 8:00 登頂(スローペースです)
・ 8:10 湖畔に降りる尾根道の下山ルートへ向かう
・ 9:40 下山
・10:00 さわらびの湯・営業開始と同時に入館
・11:00 近隣の食事処・営業開始と同時に入店
・12:00 成木街道・虎柏神社入口前を車で通過
この半日詰込みレジャーの中で、従来唯一ワクワクしなかったのが終始単調な下りの尾根道で、
下山中は視線のほとんどを足元に向け、頭の中は温泉とグルメが支配といった状態でした。
その後本年4月に森守会に入り、活動エリアに皆で向かう途中、先輩方が小さな発見をする度に実に楽しそうに話をされているのを見て、
私も少し視野を広げて歩いてみようと思いました。
<下山道にて>
シデ類だろうか?
(樹木診断アプリはスマホ圏外で使えず)
その先を見ると、登り返しが困難な急斜面。
とてもありがたい二重の警告です。
10:00の温泉一番風呂をあきらめ、歩行の一時停止と観察を繰り返すと、以前にはなかった充実した下山の時間を過ごせます。
昨年度参加させて頂いた森林ボランティア育成講座では、講師の方々から、よく、
「作業の前に、このエリアを最終的にどの様な姿にしたいのか自分でイメージすること。」
「森林作業のやり方に(基本はあっても)正解はない。はじめに自分で考えてみること。」
と言われました。
諸先輩方の様に知識・経験に基づき深く「考える」ことは当分望めない状況ですが、まずは、
好奇心を持って観察することから始めたいと思います。