風と水の道(その3)

水脈の再生

さてさて、秒読み終わるまでに水脈を復活させねば。

でもどうやって?

というところでのヒントです。

この谷。

臨時活動中心に整備している場所です。

こんな場所がありました。2か月前です。

沢にかけた橋のたもとなんですが、ひどくぬかるんでいます。

この場所の少し上は草がたくさん。そして、少し急に下ってこのぬかるみです。

写真は施工後です

上のエリアに降った雨は、柔らかい地面や草の根のおかげで地面に浸透し、地下水脈となって下ります。

水脈の中では、上流ー下流だけじゃなくて天ー地の方向へも水が動いています。水脈に水が入ると、入った分空気がどこからか逃げていきますし、下流に水が流れつつ斜面から水がしみだしてきたりします。

泥は、その出口に蓋をします。

ここはおそらく、上流から流れてきた水が急な斜面で勢いを増し、地面を削って泥水となり、水と空気の出口に蓋をしたのでしょう。もしかしたら、橋を架ける際に踏み固めてしまったのが原因かもしれません。

出口を塞がれた水脈はここで動けなくなり、地中に溜まります。そうなると、ここの地面は水を含んでプリン状態になります。

その結果がぬかるみかもしれませんね。

ここに空気の抜け穴と水の入り口を作って、水脈を通します。

水色がプリンになった地面。赤矢印の方向に過剰な水を流す道を作ります。溝を掘って除伐した木の枝や小石を入れて軽く埋め戻します。

緑は点穴です。泥に穴をあけて小枝を詰め込み、空気の出口と水の入り口を作ります。

埋め込んだ小枝は微生物の餌となり、菌糸が育ち、それを追って草の根が伸び、それを追って木の根が伸びていき、最終的には菌糸と根のネットワークが天ー地方向の水の通り道になってくれるはず。

これが施工終了時の写真。

ところどころ埋めた枝が顔出してますね。

2週間後...

そんなに変化はありませんが、プリン状態の土から少し水が抜けたのでしょうか? 周囲の下草が中心に向かって少しずつ広がってきています。

2か月後です。

だいぶ変わりました。黄土色に見えてた泥の部分がかなり減っています。

一方、何もしていないところは、、、

泥が積もって地面の呼吸が止まっています。

水脈には上流ー下流の流れだけではなく、天ー地方向への水の動きも必要だということ。そして、出口を塞がないこと。この2つが重要と思います。

乾いた急斜面には...

おそらく、土留めで表面を流れ落ちる水の勢いを緩め、水が渦を巻くところに点穴を開け水の入り口を作り、その下流の斜面が変わるところにも点穴を作り出口にする。

そうすれば、水脈が復活するだろうか?

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