青梅と八ヶ岳の森(その2)森守会メンバーのS.Hasumiさんからの投稿です
森を歩いて
人の手が入った森と自然林
八ヶ岳と青梅の森を歩いて感じることをお届けします。その第2回。
里山である青梅の森と八ヶ岳の自然林の違いについて見てみます。
密集度は?
奧多摩地域も八ヶ岳も深い森が広がっています。奥多摩の御嶽山や日の出山から周囲を見ると森が深く続いて見えます。青梅の森は人の手により植林されたスギ、ヒノキと自生しているコナラなどが共生した森です。
図 1青梅の森の整備作業中<2022年7月>
「青梅の森」の森林整備を行っている現場になります。整備作業が進んでいる手前と未整備の奥の密集度が異なっています。人の手で苗木を植えた森であっても整備がされていないと密度は高く、見通しが良くありません。
図 2オーレン小屋(標高2300m)<2023年7月>
八ヶ岳のオーレン小屋の脇の森はシラビソなどの針葉樹が密生していて全く見通せません。山小屋周辺に空間がある状態です。この辺りの針葉樹林は密生していて登山道以外を歩くことはありません。このあたりはしっかりした登山道がついているので道迷いの危険は少ないです。コースを外れるとこの密集した針葉樹の森では方向感覚を失いそうで危険を感じます。
整備された青梅の森は、「見通しが利く」ことで安全に利用ができるのだと感じます。
自然林の姿
自然がその力で森林更新をしています。
図 3オーレン小屋 テント場近くの涸れ沢(標高2300m)<2023年7月>
風の通り道となる沢筋では倒れた針葉樹が見られます。樹肌から見るとシラビソが多いようです。
風の力で木は倒れ、新しい若木が生えてくることで世代交代を繰り返す姿を見ると自然の力を感じます。
里山では間伐で陽の光を森に入れて明るい森の姿を作りますが、八ヶ岳ではその荒々しい自然の力で森を更新していることを感じます。