キコレンジャーレッドの子どもでもわかる森林社会学講座① ーGDPと豊かさー
GDPと豊かさ
軽く自己紹介を
こんにちは。森守会の郡司です。
標高600~700mの人工林と森守会のフィールドである青梅市近郊の森をねぐらにしています。時々、成木のあまがさすの森に出没したりもしています。
森守会は2020年の6月からなのですが、入会時に「そこにいる赤い人」と紹介されたということもあり、
週末木こりボランティア+(自称)森林レンジャー+赤い人
=キコレンジャーレッド
と勝手に名乗っております。
青梅の森でこのヘルメットを見たら私ですので、石を投げたりしないでください。
「ブログ見たよ!」と叫んでいただければ、張り切ってヒサカキ300本くらい除伐しちゃうかも知れません。
GDPと豊かさ
GDPとは
GDPってご存じでしょうか。
Gross Domestic Product(国内総生産)のことですね。
国内で生み出された財やサービスの付加価値の総額です。
例えば、3000円で仕入れた丸太を製材して10000円で売ったとしたら、7000円が生み出された付加価値です。
GDPが大きいということは、国の経済活動が活発であるということであり、豊かさの指標の一つにもなっています。
なぜ「豊か」と言えるのか?
たくさんのものやサービスをたくさんの人が買うことができた(できる)ということなんですね。
文学的な表現をすれば、人々のたくさんの「欲しい!」つまり「必要」が、これまたたくさん満たされた(満たされている)ということになります。
要は、豊かさをお金で計っているわけです。
値段が付く条件
モノやサービスに値段が付くにはいくつかの条件があります。
①必要であること
衣食住は人間らしく生きるために必要なものですが、貴金属や温泉旅行などはなくても生きていけます。
でも、それを欲しがる人にとっては必要なんです。そのような個人の価値観も含めての必要性です。
②自分で作り出せない、手に入れられないこと
必要であっても自分でできることであったり、当たり前にあるものの場合は値段が付きませんよね。
例えば、買い物のためにはお店に行くことが必要です。「行くこと」には値段が付きません。足がありますからね。
でもこれが、とても遠くて自分の足じゃ歩いていけない場合、誰かに自分を運んでもらわなきゃなりません。そうすると、電車賃やタクシー代がかかります。「移動」に値段が付くんです。
電車やタクシーについて言えば、人を遠くに運べるという「価値がある」ということになります。
一例としての健康産業
ここでひとつ例を挙げます。健康産業です。
健康産業は比較的新しい産業です。
かつて、健康かどうかなんて誰も気にしませんでした。
ある時だれかが、健康であることが人生に「必要」で、「価値」のあることだと気づいたんです。
それは「当たり前のことではない」ということにも気づきました。
そして、「健康」に値段が付きました。
それが健康産業です。
さてさて、森はどうでしょう? 自然環境は?
森林の値段って?
森林に価値があるのは皆さんも認めていることでしょう。
でも森林があるのは当たり前と思っていませんか?
実際に森の中をさまよってみると、あちらこちらに荒廃の予兆が見つかります。
私たちは森があることが当たり前ではないと知っています。
木を伐って家を作ればGDPは増えます。しかし、どのくらいの木が森に残っているのかはGDPではわかりません。
GDPの増加は自然環境を浪費した結果ということもありうるんです。
今度、一緒に森の中をさまよってみませんか?
随時、体験参加募集しております。
終わりに&予告
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
次回は、「包括的な富と日本の森林」です。では、また~